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高血圧症 血圧とは血液が血管壁に及ぼす側圧力のことで、安静時の血圧が基準値より高くなった状態が高血圧です。自覚症状がないことも多いですが、高血圧が続くと気づかないうちに全身の動脈硬化が進行していきます。高血圧は脳卒中・虚血性心疾患といった心血管病の最も重要なリスクファクターなのです。
収縮期血圧140mmHg以上あるいは拡張期血圧90mmHg以上で高血圧症となりますが、個々の患者さんがもつ危険因子や年齢によって血圧の目標値は異なります。
(JSH2019より引用)
家庭血圧を測定しましょう現在、高血圧治療を受けている方や健診などで血圧が高めといわれている方は、家庭血圧を測定しましょう。なぜなら、病院の診察時や健診での血圧測定は日中に行なわれますが、日中より夜間や早朝の血圧が高い方(夜間高血圧・早朝高血圧といいます)が案外たくさん居られるためです。このタイプの高血圧は心血管死亡リスクがより高いのですが、家庭血圧を測定しなければ発見しがたいです。 家庭血圧の測定方法① 座った状態で測る(あぐらや正座よりもできれば椅子にすわって)。 ② 手首や指ではなく、上腕で測る血圧計のほうが正確です。 ③ 朝1回か、できれば朝・晩の1日2回測定しましょう。 ④ 朝は起床後1時間以内で排尿後、食事や薬は飲む前。座って安静にしてから1-2分たってから測定してください。 ⑤ 夜は就寝前に座位で安静にして1-2分たってから測定してください。
高血圧を改善するために日常できること減塩まず、行なっていただきたいことが塩分を控えることです。日本人の平均食塩摂取量は約11g/日といわれてますが、高血圧の方は1日の食塩摂取量を6g未満にすることが必要です。 減塩の工夫①塩分の多い食材を知りできるだけ避ける。梅干し・練り物(かまぼこ・はんぺんなど)・肉の加工食品(ハム・ベーコンなど) ②味噌汁やスープなどの汁物は、摂取するとしても1日1杯までとし、具だくさんにして汁を減らす工夫が必要です。普通の味噌汁でだいたい塩分2gくらいありますので、1日食塩摂取6g未満を目標にするなら、味噌汁だけで1食分の食塩を摂取したことになります。 ③麺類の汁はできるだけ残す。 ④食品に成分表示があれば塩分量の確認。ナトリウム表示の場合は2.5倍でおおよその塩分量となります。たとえばナトリウム500mgなら塩分は500mg×2.5≒1250mg(1.25g)となります。
アルコール多量の飲酒習慣は血圧を上昇させますが、節酒すると血圧が改善します。 男性はエタノール換算で20-30ml/日以下としましょう。
具体的には、ビールなら中瓶1本
日本酒なら1合
ウイスキーならダブル1杯
ワイン フルボトルで1/3本
(女性の許容量は、上記の半分~2/3程度といわれてます)
煙草喫煙は狭心症・心筋梗塞といった虚血性心疾患や脳卒中の強力なリスクファクターです。高血圧患者さんは禁煙しなければなりません。
肥満肥満は血圧上昇の一因であり、減量は血圧を低下させる効果があります。 *BMI 25未満が推奨されており、身長150cmなら約56.3kg未満、160cmなら64kg未満、170cmなら約72.3kg未満、180cmなら81kg未満が目標値となります。 *BMI=[体重(kg)] ÷ [身長(m)]2
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